実施設計とは
水処理プラントの全体を把握し、ミスを除き、アイディアを提案。
実施設計職は、主に受注が確定した浄水場に関連する図面・書類のすべてに目を通し、取り掛かる案件の全容を把握することから仕事が始まります。水処理プラントの新規施工や設備の入れ替えや増改築時に、全体の浄水フローや仕様、施工する設備や使用する機器などについて、深く理解する必要があります。
水道機工でまとめた情報と、お客様が求める条件を照らし合わせ、相違が無いかチェックします。この段階で見つけた相違・不明点・問題点を明らかにしつつ、浄水場内の機器配置図や配管図及び機械の図面を作図・用意していきます。この段階では相違や間違いの修正だけではなく、「こうしたほうが、もっと良くなる」というアイディアがあれば、お客様に提案を行います。
また、実施設計の重要な役割として、現地調査やお客様と直接打合せを行うことが挙げられます。ここで念入りに調査を行い、お客様の要望を可能な限り図面に反映させることで、より良い設備を提供することができます。納入する機械の中にはメーカー汎用品以外にオーダーメイドの製作品も多く、製作品については製作業者と互いに製作図面を精査し、現地据付前に工場検査を実施するなど、日々協力しながらものづくりに取組んでいます。案件の全体感を把握し、施工前にあらゆる不明点・疑問点を取り除き、要求に沿った水処理プラントを納品するための中核を担う存在が、私たち実施設計の役割となります。

仕事の魅力
責任重大だが、構想が形になる感動は計り知れない
私たち実施設計以降の案件は、現場での施工プロセスに移行します。現地に納める設備が据付かない、適切な水処理が行えないなどの問題点を未然に防ぐ必要があり、責任は重大です。しかし、自分たちの仕事がいよいよ形になっていくところを見届けられる立場でもあるため、確かな手ごたえとやりがいを得ることができます。
現地に足を運んで確認する役割を担う私たちだからこそ、できる提案もあります。自分の提案が受け入れられ、喜んでもらえた時などはとても嬉しく感じます。現地の方がメンテナンスしやすい仕様に変更したり、より安全に運用可能な設備を提案することは、現地を知っているからこそ実現可能であると思います。

学生時代
活かせる学び
機械設計をする際、設備の強度検討を実施します。その際、材料力学等の知識が活かせているように感じます。
余談かもしれませんが、お客様、業者様との会話、スケジュール調整などでは、アルバイトや課外活動の経験は活きると思います。コミュニケーションは重要です。また、図面から現物をイメージしなければならないので、想像力も重要です。図面と実際を絶えず比較・確認している私たちの仕事においては、鍛えられる能力のひとつだと思います。