計画設計とは

自治体水道局の浄水場向けに、最適な浄水フローや装置を提案する仕事

計画設計職は、主として各自治体の水道局をお客様とし、浄水場の維持管理・機能向上のための調査・分析や、浄水フローや装置の提案を行います。お客様の課題解決のために、まずは水質調査からはじめます。その後、目標とする水質の数値を実現するための仕組みや装置の提案を行います。

提案は、グランドデザイン(水の浄化プロセスをどのようなフローで、どのような方法で、どのような装置を使って行うのかなど)からはじまります。さらに、各プロセスの具体的な方法や使う資材、装置の機構など提案する設備のハード面の説明はもちろん、営業担当とも連携し、お見積りの提示まで行います。

組織内には、グランドデザインなどソフト面を主に担当する人と、ハード面を担当する人に分かれており、私はその両方を身につけていくことを求められています。調査や提案依頼は、お客様の年度予算等に応じて計画的に行うものもあれば、台風被害からの復旧案件など、突発的な要因によるものもあります。

仕事の魅力

極めて重要なライフラインに関わるやりがいと責任

自治体の水道局、そして浄水場をお客様とする私たちの仕事は、つまり多くの人々にとって極めて重要なライフラインに関わっていることと言えます。責任は重大ですが、同時に大きなやりがいや誇りを感じます。また、計画業務におけるソフト面・ハード面両方を担当するオールラウンダーのような存在は組織内でも希少であり、私にその役割を期待していただいている環境についても、やりがいや責任を感じています。

とは言え、わからないこともまだまだ多く、過去事例を調べたり専門書を当たったりと、勉強の毎日です。もちろん、先輩や上司に聞くこともできますが、何も調べずにただ聞くだけでは自分が成長しないと思っていますので、聞くときであっても、下調べをして自分の考えをまとめた上で「こういうやり方はどうでしょうか」と尋ねるようにしています。その考えが適切なら、そのまま自分の引き出しが増やせますし、最適とは言えない場合も、先輩や上司は「なぜ最適でないのか」という背景も含めてきっちりと否定してくださるので、得るものも大きいです。

学生時代

活かせる学び

学部時代と修士課程の両方で、水処理をテーマに勉強をしてきました。特に、微生物を使った生物学的廃水処理などをテーマに取り組み、水処理の基本的な考え方や手法-沈澱、ろ過など大枠の方法を中心に学びました。加えて、ろ過なら膜を使ったろ過、急速・緩速ろ過などの浄水プロセスについては学生時代の講義で触れる程度の若干の基礎知識がありましたので、スムーズにはいれました。また、薬品を使用した化学的な水処理も学んでいましたので、化学式から反応を計算するなど、化学の基礎的な知識も活かせています。水理学については、もっと勉強しておけば良かった、という思いはあります。

学生時代と現在の大きな違いは、テーマへの取り組み方が一過性ではなく、継続的で責任を伴うところだと思います。学生時代は、レポートを提出して評価を受けてしまえば終了ですが、仕事での取り組みは提案やレポート提出の後に、その検証や実務構築など納品に向けた業務を、責任を持ってやり切ることが求められます。

水を創る仕事は、人間が生きていく上で不可欠なものへの取り組みです。難しさもありますが、やりがいも手ごたえも大きなものがある仕事です